サイドバーにもリンクがある、sewn shoe-makerさんの靴です
毎度お世話になっておりますSewn shoe-makerさんで、作った人生初オーダーメイドシューズはパターンオーダーのローファー。(以下SPL)
ビスポークではないのですが、足を包むような履き心地で休日に活躍してくれています。
その他、sewnさんでの過去記事はこちら。
- 概要
- ボロネーゼ製法
- J.M WESTON180 との比較
- サドル部分の比較
- モカ部分の比較
- ヒール部の比較
- 気になる価格
- まとめようナ
- オマケ①:ボロネーゼ製法は進化する
- オマケ②:Sewn shoe-makerさんで注目のモノ
概要
こちらが、そのSPL。
5年ほど前につくってもらいました。
アッパーはアノネイのベガノカーフ。
バーガンディでしたが、使用と手入れを重ね、深みと赤みが増してきています。
肉厚でしっかりとした革なので、足いれしたたきもしっかりとホールドしてくれます。
なぜ、そのような履き心地になるのかといえば、これはボロネーゼ製法だから。
ボロネーゼ製法
ボロネーゼ製法……柔らかいライニング(裏革)を袋仕立てにして、足を包み込むような履き心地が特長です。 イタリアのボローニャが発祥なことから、“ボロネーゼ”製法と呼ばれています。
アウトソールはマッケイ・ミシンで縫いつける方法と接着剤で貼り付ける方法があります。 引用元
ボロネーゼ製法はその構造上、しっかりと足を包み込み、返りが良いことを特徴としています。
そのため、はきはじめから馴染みました。
それにこれはパターンオーダーですが、レザータッチを施したため、はじめからほぼ痛みはありませんでした。
デザインはいたって普通のコインローファー。
今思えば、甲のバンドを一番下までおろし、フルサドルにしてもよかったかもしれません。
ローファーなのであまり、秋冬には合わせませんが夏にはフットカバーとあわせてました。
バンプが長く、足の甲をしっかりとホールド。
前述のボロネーゼ製法とパターンのあいしょうで、脱ぎ履きするときには「スポッ」「プシュ」という空気の抜ける音が‼️
堅牢なグッドイヤーウェルテッドやハンドソーンの靴も大好きですが、マッケイやボロネーゼの靴もまた違った楽しみがあるとと思います。
J.M WESTON180 との比較
僕の靴棚の中で最近八面六臂の活躍を見せる180。
個人的な今年のベストバイになるやもしれません。
更新してなかったこのブログの復帰のきっかけでもあったし…
そんな名ローファーと比較してみましょう。
もちろん、どちらがどう優れているかなんてものは僕では決められません。
まずは全体像。
180は捨て寸0ともいわれ、爪先がぴったりくるようなフィッティングを推奨されました。実際、痛い靴を履きたくなかったことや冬にやや厚手の靴下でも履きたかったのでハーフサイズアップではいているので、厳密にはそのフィッティングではないですが。
とはいえ、そのサイズ感でできているためか、コロンとしたフォルム。
一方でSPLは、ボールジョイントもしっかりとり、バンプも長いため、どっしりとした印象。POに選んだ木型(ラスト)も英国風のものです。
ローファーとはいえ、軽みを求めるものではなく、レースアップシューズと同じように履くローファー(なんだそのニュアンス)といった感じでしょう。
トリッカーズやパラブーツのローファーの仲間のようです。
履き口の広さを比較してもその違いは明白。
ただただ気軽に履く(近場、脱ぎ履きが多い)なら180が良いですが、履いた後のフィット感、足についてくる感じはSPLと使い分けています。
サドル部分の比較
「フルサドルにすればよかった」なんて書きましたが、これはこれで気に入ってます。
SPLはピッチの細かいダブルステッチで縫われております。
穴飾りの部分はシンプルな三角形となっておりますが、サドルの上辺が弧を描き、下辺が波形となっています。
180はシングルステッチ。穴飾りの上辺がほぼ直線の緩やかな弧、下辺が中央に向かい絞られ下に落ちるような波形。
サドルそのものは、緩やかなカーブの上辺(それよりはやや円の)下辺です
この辺りは、好みによる領域です。
僕はオーダーの時に特に注文はしませんでしたが、POなので変えることもできるようです。
モカ部分の比較
180は手縫いのモカ。
SPLはミシンで、重ねモカになっています。
価格との折り合いもありますが、手縫いモカの注文もできるみたいです。
ミシンの重ねモカは靴好きの方からすると、ディテールの迫力不足に映るかもしれませんが、シャープな印象になるのできれい目に映るかもしれません。
(詳しくない人からしたら同じようなもんだしね。)
ヒール部の比較
ヒール部のパターンはどちらも同じような形になっています。
SPLは結構中心に近いところで縫っている印象。
また、180よりもヒールカップは小さめで深くとられています。
ローファーに限ったことではないですが、履き口の革は摩擦で乾燥しやすいので、180のようなきめ細かい革か、SPLのように、厚みのある革のほうがいい気がします。
気になる価格
こちらにオーダーの値段が記載されています。
ここには現在ボロネーゼ製法の価格は乗っておりませんが、以前お伺した時には、マッケイと同等(以上)グッドイヤー以下といわれたので¥70000~でしょう。
加えてパターンのオーダー(型紙製作によるデザイン変更)が¥15000.
レザータッチが一か所¥3000だったと思います。(正確に知りたい方は直接お問い合わせください)
またこの革は+¥5000だったと思います。
まとめようナ
ボロネーゼ製法の靴はグッドイヤーに比べてややマイナーではありますが、その履き心地は他では得難いような気がします。
欠点としては、シンプルなつくりのため、度重なる修理には耐えられないということです。そこでラバーを貼りました。ただし、やや返りは固くなるようで・・・
塩梅が難しいですね。
例えばあまり外に出ない室内での仕事の時には、ラバーを貼らずに履き心地を優先したほうが様でしょう。
関連するオマケです。
オマケ①:ボロネーゼ製法は進化する
Sewnの 価格表にも載っていたハンドソーンウェルテッドボロネーゼ製法。
こちらは、ハンドソーンウェルテッド製法とボロネーゼ製法を組み合わせ、履き心地を維持したまま、修理が可能なスペシャルな製法になっています。
次のビスポークはこちらで体験したい…
オマケ②:Sewn shoe-makerさんで注目のモノ
こちらのパターンモデルは、ハンドのチェーンステッチが特徴的な「サルベージ」キャッツポウの装着や三角の閂で全体としてヴィンテージシューズの様相。
友人がこのモデルをベースにセミブローグを ビスポークをしています。
あとはもう一つ。
欲しいモノリストにもありますが、靴仲間のoboistさんとのコラボも……
この靴もカジュアルシューズとして大注目ですね。